東京オリンピック・聖火リレーは機運を高める事ができるか

この一年間、聖火リレーが持つ意味を考えてきた。ギリシャで採火された東京オリンピックの聖火は昨年の3月20日、宮城県の東松島市の航空自衛隊松島基地の到着した。東京オリンピックの延期に伴い、「消してはならない聖火」として国内で厳重に保管され続けた。

東京オリンピック大会関係者は「機運醸成のカード」として聖火リレーを重要視してきた。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、海外観光客の受け入れ見送りは3月20日に決定した。複数の東京オリンピックの大会関係者は「国内での不安を取り除いた上で出発を迎えたかった」と口を揃える。タイミングは聖火リレー出発前に強くこだわった。

東京オリンピックの大会開催に対する懐疑的な世論は根強い、社会調査研究センターと毎日新聞が3月13日に実施した全国の世論調査では、東京オリンピックについて「中止すべきだ」が32%、「再延期すべきだ」が17%と否定的な意見が約半数に登った。

首都圏での緊急事態宣言は3月21日までで解除されたものの、新規感染者数は各地で増加傾向にあり、新たな新型コロナウイルス変異種株の広がりから「感染第4波」を懸念する専門家の声もある。聖火リレーは4月に都市部を巡る、4月5日、6日に愛知県、4月13日、14日に大阪府に訪れる。

組織委幹部は「新型コロナウイルスの感染拡大を招けば大会本番にも影響する。都市部での聖火リレーは実施の有無を含め、より慎重な判断が必要だ」と話している。

東京オリンピックの開幕まで4カ月をきったものの、コロナ禍での大会開催の意義を問われ続けている。感染防止に配慮した安全な大会運営は可能なのか、明確な答えを見いだせないまま東京オリンピックの聖火リレーはスタートした。